ミキシングについて

仕込み

今日は中級者向けのミキシングのお話をしたいと思います。

パン作りで最も大事な工程なのでぜひポイントを覚えてくだいね!

この記事でミキシングの重要性を再確認できるとともに今使っているレシピがなぜそのようになったのかと言うことがわかると思います。

スポンサーリンク

ミキシング(仕込み)がなぜ重要なのか?

パン屋さんによってそれぞれ工程を習う順番は違うと思いますが、私が経験したところは全て最後にミキシングを習いました。初めて覚えたのは三年目だったと思います。

今思うと一番キツく一番楽しかったのもあの頃な気がします。

ミキシングポジションはその工程自体もパンのボリュームや味、香り、焼き色を左右する意味でも重要ですし、他のポジションのコントローラー的な役割を果たす意味でも重要です。

毎日違う気温、湿度、シフトの状況をみながら作業を進めなくてはいけません。

工場のような毎日の仕込み数が一定であったり、設備がしっかりしていて環境が毎日同じであればその難しさも軽減できるかもしれませんが、工場は工場で一つミスしたら何千、何万という商品がロスするというプレッシャーもあります。

オペレーションと理屈

ミキシングを教わる時おそらくは先輩スタッフたちが考えに考え抜いた時間管理の使い方を教わると思います。ではなぜそうなっているか?考えたことありますか?

ミキサーが二つあるところではこの時間に縦型ミキサーで回して、この時間にスパイラルミキサーで回してといった一連の流れがあると思います。まずはそこに注目してみましょう。

ミキサーには生地の種類によって向き不向きが存在します。縦型ミキサーとスパイラルミキサーも勿論あります。動きを見てもらえればわかりますが、縦型ミキサーは生地を引っ張ってボールに叩きつけるという動作、一方でスパイラルミキサーは生地を切っては捏ねを繰り返しています。これによってパンのボリュームと内層に大きな差が生まれます。

縦型ミキサーで作る生地は目が細かくソフトなパンに向いています。また生地膜も薄く出来上がるのでボリュームが出ます。しかし縦型ミキサーでハード系の生地を同じようにぶん回して作ってしまうと力のない抜けた生地が出来上がってしまいます。

スパイラルミキサーは縦型ミキサーに比べ無理やり叩きつけるという事がないので生地自体に力がついて仕上がります。ハード系の生地には向いていますがグルテン膜が厚く伸びにくいので軽い食感を求めるには不向きです。

このように考えられると今のオペレーション、もしかしたら少し変えた方がいいかも・・・人間都合のオペレーションになってた。とか、なるほど、だからわざとここで使い分けているんだ。とか今までとは違う観点から見れることができます。

筋トレを思い浮かべてみてください。同じ筋肉でもトレーニング方法によって筋肉のつき方は変わってきますよね?それと同じです。

理屈は知っていれば知っているだけ今後に活かせる武器になりますので、流れの意味をしっかりと読み解きましょう。

ミキシングの考え方

大体のパン屋さんで採用されている製法は

  • ストレート法
  • 中種法
  • オーバーナイト法
  • 湯種法
  • ポーリッシュ法

この辺りが主流でしょうか?特に上三つは使用しているパン屋さんが多いと思います。

使っている製法を正しく理解していないと失費した時カバーができなくなるので要注意です。

例えばオーバーナイト法を例に出しましょう。

オーバーナイト法は生地の水和を良くし、人が寝ている間に生地の熟成が進むという画期的な製法ですが、どのタイミングでオーバーナイトにするのか?なぜそのタイミングなのかがわかっていないと最終商品が上がってもジャッジ出来なくなります。

生地玉でオーバーナイトするのと整形後オーバーナイトにするのとでは、仕上がりの気泡の入り方、クラストの厚さが変わってきますし、焼成するタイミングも変わってきます。会社がどの仕上がりを求めているのか?そこに全ての答えが詰まっています。

私が専門学生の頃フランスパンはあまり捏ねてはダメ!!というふうに教わりました。理由は生地を傷める、内層が詰まるということでです。勿論ストレート法ならその考え方であっていますが、技術や考え方は常に新しくなっていますので現在はこの教え方は通用しないと思います。今は勿論このようには教えてないと思いますが、年齢が上の方はもしかしたこういう固定概念を持ってる人がまだいると思います。

固定概念からは進化は生まれません。常にアップデートし、なぜ?どうして?という気持ちとしっかりしたロジックを身に付けましょう。

材料の投入時の注意点

ここでは主に油脂を入れるタイミングについて解説します。

バターやマーガリン、オイル(オリーブオイルやバニラオイル等)は投入時のタイミングによって持たせる効果が変わってきます。

最初から入れてしまうオールインを例にするとわかりやすいのですが、油脂の投入時期が早いとパンの食感、外観に影響が出ます。ミキシングの後ろになればなるほど風味に違いが出てきます。出来上がりをどんなパンにするのかでここまで緻密に考える必要があります。

ただし、一つだけ注意を!材料投入時のタイミングを変えて他の工程(フロアタイムやベンチタイム、丸める強さ)を同じにすると全く噛み合わず最終製品がボロボロになる事がありますので必ず一つ変えたら他の工程にも目を向けましょう。

最後に

ミキシングは最も難しくあり最も面白いポジションです。パン作りにおいて奥義と言っても過言ではありません。失敗が続くと自己嫌悪になって仕事が怖くなってしまいますがまずはスピードより正確さを優先してトライしていきましょう!

コメント

タイトルとURLをコピーしました