以前書いた記事で
カンパーニュの配合を紹介したのですが、光栄なことに他の方にも作ってくださる方がいまして、今回は補足と言いますか、より詳しい説明と、この生地使って私はこんなもの作っていまーすと言う紹介をしたいと思います。
ミキシングについて
ライ麦を使ったパンの原則と言いますか気をつけなければいけない事項にミキシング が挙げられます。
ライ麦配合が高いときにはミキシングは短く、逆に配合比率が少ない時は長くといった感じです。これはライ麦の特徴であるグルテニンというタンパク質がない為、捏ねれば捏ねるほど生地がベトベトして扱いづらくなるというのが原因です。
前回紹介したライ麦配合は34%でした。50%にも達していないので比較的少ない(ライ麦パンとしては)と思います。ミキシングタイムにL6M3と書いてありますがご家庭でやる場合はしっかりと捏ねたほうがいいです。
ちょっとわかりづらいかもしれませんが膜になっている部分を見てみるとある程度薄くなり透けているのがわかります。ミキシングをかけて力をつけてあげることでボリュームupを狙います。結果的に焼いた時のクープも開きがよくなります。
因みにですがライ麦粉はアーレミッテルという日清製粉さんの粉を使用しております。
家庭でやる場合、あまり起きないと思いますが思いっきり捏ねすぎると生地がダラーっとしてしまうのでそこだけ気をつけましょう!(手で捏ねるならまず大丈夫だと思います。)
少ないとは言ってもライ麦粉が3割程度入っているので食パンの生地上がりのような薄い膜と裂ける時の綺麗な切り口は出ません。イメージで言うと食パンがミキシング100%だとしたらこれは70%くらいでしょうか?
各工程について
フロアタイムをとって分割した生地がこちらになります↓
分割時に手につくようなベタつきはありません。表面もきれいに張らせることができます。今回楕円型にしているのはバゲットにする為なのでここは普通の丸目でも構いません。
ベンチタイム は次に成形する為の準備期間なので最終形をイメージしながら丸めを行うのがポイントです!たまに何でもかんでも丸める人がいたりしますが理にかなっていないんでやめましょう。またこれは私の偏見かもしれませんが初心者の人丸め強くしがち笑
生地を張らせる、整えるくらいでいいんです。あくまでも次への準備ということをお忘れなく!!
一応成形の写真もとっておきました。暗っ!!!笑
手粉は薄くで大丈夫です。奥から手前にたたんだら次に畳む前に生地を両脇に伸ばしながらやるのがコツです。こうすることで最終的にたたんだ際ほぼ長さが出ている状態になり後は端をすぼめるだけとなります。
通常のバゲットと違い粘土を触っている感覚に近いと思いますのでそれほど難易度は高くないはず。。成形するときに生地が切れてしまうようならそれは触りすぎているのでタッチの回数を減らす、もしくは丸めをもっと緩めてみましょう。
そして意外と前回記事を書いたときに多く寄せられた質問にホイロ後生地を冷やすのはなぜですか?というものがありました。自分自身よくやることなのであまり気にしていなかったのですが、一番の理由は作業性です。もちろん発酵を抑えて商品を均一化させるというのもあるのですが、主にクープです。今回のカンパーニュ生地ではバゲットに成形し深くクープを入れています。冷やさないでクープを入れると引っ掛ける原因になるので冷やしています。私ができても他のスタッフができないと意味がありませんので。。。クープに関しては別の記事でまた詳しく説明するとして、クープがうまくいかない方は一度思い切って冷やしてみるのも手かなと思います。
クープは深くクープ入れます。もし一本クープにする時はここまで深く入れる必要はないです。
なぜ深く入れているか?ですが、これだけクープを入れるとなると生地が焼成時に膨張した時、力の逃げ道を探します。その時もし浅いクープだったり均一の深さで入っていないと、クープが繋がってしまったり、弾けてしまったりします。それを抑制し模様としてもきれいに見える様、長さ、深さ、間隔は調整する必要があります。写真の様な木の葉型のクープはクラストが多くなるので皮が好きな人にはおすすめです!逆に中身を味わいたい方は一本クープにするのがボリュームも出ておすすめです。
焼成はびびらずにしっかりと焼き切りましょう!食感と香りが段違いです!!
この生地を使って
あまり需要がないかもしれませんがこの生地を使って他の商品も作っているのでそちらも紹介します。
こちらは生地85gにクルミを15g、ブラックペッパーを0.3g練り込んだ生地です。(1個あたり)
それを伸ばして角切りベーコンを置き包んでいきます。
クープというか切り込みを入れて、焼き上がりがこんな感じ↓
まぁ王道の成形といいますかよく見る馬蹄型のタイプです。クルミの食感・油分とベーコンの味、ブラックペッパーの辛み、それを支える生地の旨味、食感が抜群です。もし興味がある方試してみてください。 これは260℃で23分くらい焼いています。本当お酒によく合います!!
ライ麦の特徴
最後になりますがライ麦の特徴をおさらいしましょう。
・ライ麦比率が高い配合の場合
ミキシングは短く
吸水率は多く
フロアタイムは短く
イースト量は少なく
・ライ麦比率が低い配合の場合
ミキシングは長く
吸水率は少なく
フロアタイムは長く
イースト量は多く
と教科書に載っていることを書いてみました笑
ただこれを意識するだけで変わることもあると思います。
もし既存のレシピを使ってうまくいかないことがあったらアレンジしちゃえばいいんです。
それがうまくいったらその人の持ち味になりますし、それがオリジナルだと私は思います。
皆さんも幸せの香りがするカンパーニュ作ってみませんか?
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