こんなタイトルを現役パン職人が言ってたら職を変えた方がいいですね・・・笑
というわけで初めてパンを作る人、実はこの違いについてぼんやりとしかわからない人はこの記事で知識をつけちゃいましょう!!
レベル1
強力粉だけでパンを作るともちもち食感。薄力粉だけでパンを作ると口の中でクチャつく感じ、どちらかというとサックリした食感?という表現になるのでしょうか・・・
薄力粉だけでパンを作れなくはないですがお勧めしません。なぜって?
おいしくないから!
家庭で料理に使う小麦粉は大抵薄力粉だと思います。
ミックス粉ではなく自分で配合を組みたいという方は強力粉をベースに始めて、10%ずつくらい薄力粉に変えていくと理想の食感のパンに近づけると思います。
・強力粉90%、薄力粉10%とか
・強力粉80%、薄力粉20%とか
%で言われても正直ピンと来ない・・グラムで教えて!という方、次の記事で詳しく説明します。
レベル2
強力粉と薄力粉の違いはタンパク量によって変わります。小麦の中には二つの特殊なタンパク質グルテニンとグリアジンというものがあり、これを水と合わせて捏ねることでグルテンという合わさったタンパク質ができます。これがパン作りには超重要なんです。
何しろこのグルテンというのがパンの骨格になるんです。家でいう柱を想像してもらえればいいですかね。
強力粉は文字を見てイメージつくと思いますがたんぱく量が多いのでそのぶんグルテンが多く作られます。薄力粉はたんぱく量が少ないのでグルテンが少ないです。
グルテンが多いか少ないか、骨格がしっかりしているかいないか?パンにどんな影響を与えるかはなんとなく想像つきますよね。柱がしっかりしているからいろんな人が入ってきても大丈夫(いろんなもの練り込んでも大丈夫)柱がしっかりしているから空間が安全(ガスを保持しておける)とイメージしていただけたらOKです。
レベル3
強力粉となる小麦の種類は硬質小麦、粒度は粗いです。一方薄力粉は軟質小麦で粒度は細かいです。
難しく書きましたがここで何が言いたいかというとそれぞれの粉は握ったら一発で違いが分かるという事です。
強力粉→握ってもダマにならない
薄力粉→握るとダマになる
強力粉は粉自体が硬く粒が粗いのでお互いがくっつかない、薄力粉は柔らかくて粒が細かいから密集してしまうという風に覚えましょう。
よく打ち粉とか手粉と言われるものは強力粉を使用します。作業場に粉を振った時ダマダマだとそのまま粉が生地内に入る可能性がありますし、作業しにくいからです。
レベル4
強力粉、薄力粉の違いは主に上記の事を抑えていればOKです。ここからは少しタイトルからは脱線しますが小麦自体のことも少し触れておこうと思います。シェフクラスの人は覚えておいて損はありません。
・新麦の時の注意点
仕込みをしていると、あれいつもより生地がゆるい気がする・・・なんて思ったことありますせんか?湿度もそこまで変化ないのにどうして?って。11月終わりくらいから小麦が入れ替わる時期に差し掛かります。私自身この時期になると小麦粉自体の水分量が影響して吸水に差が出てくるんだろうなと思っていたんですが、実はそうではなくて新麦は酵素活性が強いため吸水に影響が出ています。正確に言うと吸水ではなくて生地が軟化するのでそう感じると言うことですね。特に強力粉は小麦の銘柄100%を使っている場合が多いので影響をモロに受けます。(※1CW、DNS等)
※1CW=No. 1カナダ・ウェスタン・レッド・スプリング
DNS=U.Sダーク・ノーザン・スプリング
どちらも小麦の種類で強力粉になる。
・主な輸入国
一位アメリカ、二位カナダ、三位オーストラリア 日本で食べられる小麦粉の90%が輸入によるものです。
・世界で最も小麦を生産&消費している国は
一位中国、二位インド、三位ロシア
こんなに生産しているイメージ無いし、そもそも中国産の小麦なんて見たことない笑
・小麦の価格は年2回変動する
小麦は日本政府が買い付け製粉会社に売っています。政府が製粉会社に売り渡し、価格が変動しますが製粉会社には結構な備蓄量がありますのですぐに我々の買う小麦粉には反映されません。
最後に
今回は強力粉と薄力粉だけにスポットを当てましたが粉にはまだまだ種類がありますし、パン作りに目覚めると粉の銘柄にもこだわりたくなりますよね!また別記事で粉については何回かやりたいと思います。
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